【感想・ネタバレ】「LION/ライオン~25年目のただいま」は親子の愛を描いた作品。愛がもたらした奇跡。


基本情報
監督*ガース・デイヴィス
脚本*ルーク・デイヴィーズ
出演者*デーヴ・パテール(サルー・ブライアリー)
サニー・パワール(幼少期のサルー)
ニコール・キッドマン(スー・ブライアリー)
ルーニー・マーラ(ルーシー)
デビッド・ウェナム(ジョン・ブライアリー)

5歳の時に迷子になって、オーストラリア人夫婦の元に里子に出されたサルー・ブライアリーの実話。
Google Earthを使って本当の家族探し出す。

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インドの田舎で家族と幸せに暮らしていたサルー

5歳の少年サルー。遊び相手はいつも兄。その兄も弟の面倒をよく見ます。
二人は石炭を盗んではミルクと交換してもらい、貧しい家計を助けていました。
母親は二人がミルクを持って帰ってくると、良くないことをしてミルクを手に入れたことがわかっているので、とりあえず「どうしたの?」とは聞くものの答えを追及することはしません。また二人も何も答えずニコニコしているだけです。
飲んでいるミルクを母親に差し出すと、自分は要らないと断って息子たちに栄養を摂らせる母親。
決して裕福ではないけど、母と兄の愛に囲まれて幸せなサルー。

兄の仕事探しに着いて行って迷子になる

そんなある日、兄は定期的に行っていた夜の肉体労働に出かけます。
サルーは兄に連れて行ってと懇願し、はじめは兄も反対していましたが根負けし二人で行くことに。
列車に乗って目的地に到着したものの、幼いサルーは眠くて兄に起こされても「イヤ」と言って起きようとしません。
仕方なく、兄は駅のベンチにサルーを残し、仕事を見つけたら戻ってくるからここから離れるなと言い残して職探しに行きます。
サルーはそこでしばらく寝ていましたが、目が覚めると真夜中で、周囲に人はおらず不安になって兄の名を呼び探し回ります。
たまたま停まっていた電車の中に入り込み、兄を探しているとその電車が動きだしてしまうのです。
それは回送電車でもちろん乗客は他にはおらず、途中で駅に停まるものの誰も乗ってはきません。
そして、その電車は東へ1600キロも離れた街まで行ってしまいます。
映像では2回ぐらい夜を迎えていました。

日本で1600キロってどれぐらいなんだろうと調べてみましたら、本州の北から南でも1500キロだそうです。コトバンクより。
それ以上の距離を移動してしまったサルー。
どれほど心細かったことでしょうか。

ようやく駅に停まり、大勢の大人が行き交う駅構内をさまよい歩いて、切符の販売窓口に並びますが、1600キロも移動してきたため言葉が通じないのです!
大人にはじかれ誰も助けてくれず、仕方なくストリートチルドレンの仲間入りをせざるを得なくなります。

日本だったら、子供が一人で駅をウロウロしていたら、誰かが助けてくれると思うんですけど、それはインドだからなのか彷徨っている子供も珍しくないため誰も関心を向けないのでしょう。
ほんとこの辺は映画とはわかっていも、切なくてたまりませんでした。

そんなある日、線路を歩いていると家に帰れると思ったのか、とりあえず線路上を歩いていると、ヌーラという女性が声をかけてきます。
サルーが迷子になったことを話すと、ヌーラは自宅に連れて行ってサルーに食事をさせ、お風呂にも入れてくれ親切にします。
はじめはほんとの親切心だったようなのですが、サルーが母親は石を運ぶ仕事をしていたと話したら、ヌーラの表情が少し変わったのです。
夜、フカフカのベッドでヌーラと寝ていると、知り合いに親切な男性がいて明日その人がくるから、サルーの母親を探してくれるといいます。
翌日、サルーが目を覚ますと、見知らぬ男性がいて「いいところへ行ってから母親を探そう」と優しく言います。
で、少しサルーの身体検査もどきなことをして、帰る間際ヌーラに「あの子なら合格」だと言い残します。

運のいいサルー

それからサルーは元気がなくなり、自分はどこかに売られてしまうのではないかと危惧し、ヌーラの家を飛び出します。
ヌーラはもちろん追いかけてきますが、どうにか逃げることに成功し、再びストリートチルドレンの道へ。

ある日、レストランの前で座っていると、中で食事をしている男性と目があいます。
その男性の食事している行動を真似て遊んでいると、その男性がお店から出てきてサルーを警察に連れて行ってくれます。
警察では写真を撮って、それを元に新聞に迷子記事として掲載されるのですが、母親の目には触れず(母親は盲目)、孤児院に収容されます。
想像通り孤児院は劣悪で、どうなるのかと思っていたら、孤児に里親を見つける仕事をしているという女性から、サルーを養子として迎え入れたい親がオーストラリアにいるから行ってみないかと話に来ます。
サルーは劣悪な孤児院から出られる喜びよりも、母親が自分を探してくれてないことに落胆。
孤児仲間に「あなたは運がいい。オーストラリアはいいところよ」と教えてもらい、オーストラリアへ行くことになります。

売られる寸前に逃げ出したこともそうですが、養子になれるというのもとても強運なことだと私も観ていて思いました。

オーストラリアへ渡ってからは、ほんとに何不自由なく幸せに暮らし、サルーはホテル経営を学ぶ青年に成長していきます。

Google Earthとの出会い

ある日、友人たちとパーティーをしていると、幼い頃に兄にねだった物と同じ焼き菓子が目に入ります。
そこで一気に郷愁に想いを寄せ始め、友人たちに自分の身の上話を打ち明けるサルー。
みんな親身になって生まれ故郷を探す手段を考えてくれます。

  • Google Earthがあれば世界中のどこでも見れる
  • 列車に乗ったのなら、当時の速度を調べて、時間をかければ移動距離がわかる
  • サルーの記憶では、駅に大きな給水塔があったから、移動した範囲内で駅をピックアップすればいい

それからサルーは仕事も辞めて故郷探しに没頭します。
ところが、養母の具合がよくないと知り、家に戻ると養母から「力になってほしい」と言われて、故郷を探している自分は養父母に対する裏切りをしているのではないかと自分を責め、一旦は故郷探しをやめようとします。
でもまだ諦めきれずに、何気なくGoogle Earthを見ていると、幼い頃遊んでいた草原らしきものが見えるのです。
それを頼りにGoogle Earthをくまなく見ると、ようやく答えを見つけることに成功。
それまでは列車で移動したことがキーになっていたので、それに関わる探し方しかしていなかったけれど、諦めたことによって違う角度から見つけられたというもの。

ん~~なんか仕事でもこれに似たこと私も体験した気がするな・・・

結局は、義父母にも打ち明け、サルーは一人でインドに行き、家族を探しに行くのですが・・・
25年もの月日が流れていたので、ようやく住んでいた家は見つけられたけれど、そこにはヤギがいただけ。
なんでもっと早く来なかったのか自分を責めて壁を殴っていたら、地元の英語ができるおじさんが声をかけてきて、自分に着いてきなさいと言います。
言われた通りにすると、目の前に女性の集団が現れて、その中に愛しき母親の姿が!
母親は何も知らせていなかったけれど、25年の月日が過ぎていてもすぐに我が子とわかり感動の再会を果たします。

それから実際の映像で、養母がインドに出向き、養母と実母とサルーの3人が抱き合っているシーンはほんとに胸が熱くなりました。
エンドロールのテロップで、実母はサルーが戻ってくることを信じて遠くへは引っ越ししなかったそう。また兄はサルーを探している途中、別の列車に跳ねられて亡くなったそうです。
そして、幼かったサルーは、住んでいた町の名前を間違って覚えていたことも、さらには自分の名前まで間違って記憶していたことも判明。
サルーではなく、シェル。その意味はライオン。

そのテロップで、インドでは毎年8万人の子供が行方不明になっているとありました。
サルーみたいに迷子になっている子もいれば、さらわれて人身売買の餌食になっている子もいるでしょう。
ユニセフの寄付案内も一緒に流れましたが、お金ではなくもっと他に助けられる道はないのかなと思いました。

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